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プラズマディスプレイのすべて―大型壁掛けテレビの本命
/ 工業調査会


よくわかるプラズマテレビPDP―プラズマテレビが主役になる/ 電波新聞社


プラズマエレクトロニクス インターユニバーシティ/ オーム社



 

  
イントロダクション
プラズマとは?
   「物質の第四の物理状態」
   自然界に現れるプラズマ
   人工的につくれるプラズマ
   プラズマは光る

PDPの仕組み
   CRT、LCDとの比較
    CRTとの相違点/LCDとの共通点
   PDPの構成・原理
進化するPDP
    放電セルの改良
   まとめ:PDPの利点・欠点

 
プラズマディスプレイ、PDP
 - 進化するPDP/ まとめ PDPの利点・欠点

進化するPDP


 LCDと比べるとPDPの開発の歴史は浅いため、まだまだ発展の余地を多く残しているが、LCD同様いくつもの改良がなされてきた。LCDは長い研究開発のなかで液晶セル構造を中心にさまざまな改良がなされてきたが、ここではPDPの放電セル構造のブレイクスルーに関していくつか見てみよう。


・セル構造の改良


 従来型のセルは図のような構造になっていた。この構造だとセル間での干渉が発生してしまうため、セル間の電極を十分離さざるを得ず、高い輝度を得ることが困難だった。そこで新セル構造では、セルを上下方向に分離するグリッド隔壁を設けることで放電の干渉を防ぐとともに、新しい電極構造を採用し有効な放電領域を拡大した。これによって、高輝度かつ低消費電力が可能となった。


・ALIS方式(Alternate Light Emitting)

 従来方式では一対の表示電極で放電させるため、発光部分でない領域が大きかったが、その部分も交互に光らせることで、より細かい画像を表示可能に。PDPの小型化も可能にした。富士通日立によって開発された。詳しくは下のプレスリリースなどで。

 ・ALIS方式の特徴 - HITACHI
 ・ALIS方式について - Fujitsu


まとめ PDPの利点・欠点

 最後に、商品として見たときのPDPの利点・欠点を簡単に挙げておく。どうしてこうなるのかは、前ページの「PDPの仕組み」を参照。

プラス面
 ・大画面
  32型〜60型超
 ・薄型・軽量
  一般的にいってCRTの10分の1の厚さ、6分の1の重量
 ・視野角
  160°以上でブラウン管並の広視野角
 ・画質
  歪みのない鮮明表示・自発光による高画質
 ・磁気の影響を受けにくい
マイナス面
 ・価格の問題
  CRTと同等になることは考えにくいが、業界では1インチ一万円以下になると普及するとされている
 ・消費電力
  LCDが標準150Wに対し、プラズマは250W
 ・小型化
  最近では32型が可能になったが、基本的に小型化は難しい。消費電力などの点も含めて、用途に応じて液晶とのすみわけが進むと思われる。


リンク集
 ナノエレクトロニクスより

  液晶ディスプレイ、LCD
  電界放出ディスプレイ、FED
  有機ELディスプレイ
  電子ペーパー、EPD
  ICチップが出来るまで

外部リンク
 関連情報誌
  「月刊ディスプレイ」 - テクノタイムズ
 国内
  ニュース

  Samsung、海外でプラズマ・テレビの人気爆発 - 日経BizTech(2003/3)
  40インチで100ワットも視野に―プラズマディスプレイの「可能性」 - ZDNet(2002/10)



PDPの仕組み