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Organic Light-Emitting Devices: A Survey
/ Springer Verlag


有機ELのはなし
/日刊工業新聞社



 

  
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有機ELディスプレイ
 − 量子収率と量子効率の定義について


 もともとは「量子収率(quantum yeild)」と「量子効率(quantum efficeincy)」という術語は同じ定義だったはずだが、現在ではやや異なった意味で(ときとして誤って)使われている。

 おそらくこの理由は、この二つの術語の定義の同意が得られないままに、この二つの術語が使われる分野が急速に拡大してきたためだと思われる。

 そもそも、量子収率は光化学や光触媒化学などの世界で使われるようになった言葉で、

   (量子収率)=(反応する分子の数)/(吸収された光子の数)
   IUPACによる量子収率の定義
   http://www.iupac.org/reports/1996/6812verhoeven/Q.htm#quantumyield

  と厳密に定義されてきた。連鎖反応が起これば、仮に吸収された光子が一つでも、いくつもの分子が反応することもあり得るので、量子収率は1を越え、106などといった値になることもある。


 ところが問題は、量子効率の定義だ。こちらは厳密な定義が決まっておらず、かなり曖昧な使われ方がされている。とくに量子効率というのは、LEDやレーザーなどのフォトニクスの分野で、相対的なエネルギー効率を表す術語として使われている。そして、「有機ELディスプレイ/量子効率について」のページで紹介したような使われ方がされている(ようである)。

 ただ、少なくとも光化学などの世界では、量子収率も量子効率も同じ意味で使われているようだ。


 詳しくは、化学用語の取り決めを行っているIUPACの下のページを参照。


 Terminology, relative photonic efficiencies and quantum yields in heterogeneous photocatalysis. Part I: Suggested protocol - IUPAC

 Terminology, relative photonic efficiencies and quantum yields in heterogeneous photocatalysis. Part II: Experimental determination of quantum yields - IUPAC

 IUPAC; International Union of Pure and Applied Chemistry

 The Quality of Solid-State Light Devices - PhysicsToday