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有機ELのはなし
/日刊工業新聞社



よくわかる有機ELディスプレイ―携帯電話からテレビまで 有機ELが拓く新ディスプレイ時代
/電波新聞社


有機ELのすべて
/日本実業出版社

テクノタイムズ社


有機ELディスプレイ技術(月刊ディスプレイ増刊01/12)
/テクノタイムズ社



 

  
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有機ELディスプレイ
- パッシブマトリクス・アクティブマトリクス


 有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ(LCD)のように「ドットマトリクス方式」を採用しているディスプレイは、その駆動方式から、「
パッシブマトリクス(passive matrix)」駆動と「アクティブマトリクス(active matrix)」駆動の二つに大別することができる。どちらの方式の方がよいというよりは、目的に応じて使い分けるべきだろう。

 パッシブマトリクス、アクティブマトリクスの概念は、有機ELディスプレイもLCDも基本的なところでは同じなので、ここでは簡単に説明するにとどめよう(詳しくは「液晶ディスプレイ、LCD」を参考に)。



パッシブマトリクス

 パッシブマトリクス駆動は「単純マトリクス駆動」ともよばれ、その構造はシンプルなものになっている。図に示すように、コラム(列)とロウ(行)の電極に分けて、電極の端にあるトランジスタから信号電極と走査電極にバイアス電圧を同時にかけて、電極間に挟まれている有機層を発光させるというものだ(液晶の場合なら液晶分子の配向をかえる)。

 製造の手間が少ないため製造コストをおさえることができるが、レスポンス時間が長いので文字や静止画の表示専用で、動画の表示などには向かない。また、電極どうしを近づけすぎると干渉が生じるため、ピクセルどうしの距離をある程度離さなくてはいけない。したがって低解像度になりがちである。


アクティブマトリクス

 アクティブマトリクス駆動は、数個(有機ELの場合は二つ)のTFT(Thin Film Transistor)がそれぞれのピクセルのスイッチング素子となっている。そのため背面に複雑な回路を作らなければいけないが、レスポンス時間が短く、また解像度も高い。

 画面が大きくなるときはパッシブマトリクスよりも駆動電圧が低く、エネルギー消費も小さい。

 一般に「TFT液晶」と呼ばれているものは、アクティブマトリクス駆動のことである。TFTには、加工の簡単なアモルファスシリコン(a-Si)が使われていたが、導電性は高くなくスイッチとしての性能は高くなかった。しかし最近では導電性のよいポリシリコン(多結晶シリコン、p-Si)が使われ始めている。



量子効率について フルカラーの実現