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    最終更新日:2003/04/04
 

  
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■DNAチップ&タンパク質チップ
 − DNAチップの基礎知識

DNAチップとは?

 
DNAチップとは、ガラスや半導体の基板の上に特定のDNAを貼り付けたもので、患者の遺伝子群がどのように発現しているかを一度に調べることができる。基本的な流れは、次のようなものだ。
 1.患者の細胞や血液からmRNAを取り出す。
 2.それから相補性DNA(cDNA)を逆転写・複製する。
 3.cDNAを基板にふりかけ、基板上のDNAと対をつくっているかを蛍光体で検出する。
 今後のゲノム解析や、患者一人ひとりの体質に合わせて適切な治療を行うテーラーメイド医療にも必須のツールと考えられている。

DNAチップの原理

 患者から対象となるDNAを取り出し、発現パターンを得るまでについて、DNAチップの一般的な流れをみてみよう。なお、DNA分子の基本的な性質については、「DNAコンピュータ/DNA基礎」を参照。


DNAチップの基礎原理(フラッシュアニメーション)


DNAチップの応用分野

 DNAチップの応用分野は非常に多岐にわたる。例えば、下図に示すように、ガンの症状を診断することができる。活性化している遺伝子はmRNAを多量に生成し、結果としてcDNAも多量に生成されるため、蛍光体の表示が強くあらわれる仕組みになっている。したがって、ガン細胞と周辺の正常な細胞から複製したcDNAに、それぞれ緑と赤の蛍光体をつけ、その蛍光体の表示パターンを調べれば、ガンの進行・移転に関する情報が得られるというわけだ。


図.DNAチップを使用したガンの進行・転移に関する診断

 また、大規模な患者群からDNAチップの発現パターンを集めて、ある病気や体質に特有なパターンを見つけて、病気の診断や治療に役立てようという試みもある。これは「発現プロファイル」などと呼ばれ、ポストゲノムの重要な研究テーマの一つとされている。

 その他、遺伝子組換え作物の特定や親子鑑定などにもDNAチップが活躍するとされている。



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