この「ナノエレクトロニクス」のホームページは、現在、サイエンス・グラフィックス(株)が管理しています。すべてのお問合せはこちらにお願いします。また、このホームページは2003年までのもので、現在は内容的に古くなっている可能性がありますが、あらかじめご了承下さい。
ナノテクノロジーの入門サイト。CGを駆使して解説。書籍紹介、R&Dリンク集など。



 

  
イントロダクション
DRAM
SRAM
MROM
PROM/EPROM
EEPROM/FLASH

 
半導体メモリ
 − EEPROM, FLASH

EEPROMとFLASH

 電源を切るとデータが失われてしまう揮発性のRAMと、電源を切ってもデータは保持されるが書き換えが行えない、もしくは行いにくいMROM/PROM/EPROMなどの弱点を克服したのが、「
EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)」と「FLASH、フラッシュ」の二つのメモリである。EPROMの消去には紫外線照射という特殊な装置が必要だったのに対し、EEPROMやFLASHは電気によって書きこみも消去も行える。

 EEPROMもFlashもほとんど似た原理だが、EEPROMが1バイトごとにしか書きこみや消去が行えないのに対し、Flashはいくつかのブロックでまとめて書きこみや消去が行えるので処理が速い。ここではEEPROMの構造、原理に注目する。


EEPROMの構造


 EEPROMの基本構造は「FLOTOX(FLOating gate Tunnel OXide)」と呼ばれるもので、メモリセル部の断面図は左図に示す通りである。FLOTOXセルはスタックド・ゲート型メモリセルトランジスタと、これに直列接続された選択トランジスタで構成されている。
メモリセルトランジスタのゲート酸化膜は、ドレイン領域上で局所的に薄くなっている。この部分を「トンネルSiO2」と呼んでいる。



書き込みの原理

 このメモリセルトランジスタに書き込みを行うには、選択トランジスタのゲートを"H"、ドレインを"L"にし、メモリセルトランジスタのCGに高電圧をかける。すると選択トランジスタがオンになり、メモリセルトランジスタのドレインが"L"なので、FGとドレインとの間の薄いトンネルSiO2膜に高電圧がかかる。このときドレインからFGに電子が注入されて、FGが帯電するのでメモリセルトランジスタのスレッショールド電圧がV
th0からVth1へ上がる。


読み出しの原理

 メモリセルトランジスタのCGを"H"にして、選択トランジスタのゲートとドレインを"H"にしたときにビット線に電流が流れれば"1"、流れなければ"0"と区別できる。


消去の原理

 CGをグラウンドにした状態で、選択トランジスタのゲートとドレインに高電圧をかける。すると選択トランジスタがオンになり、メモリセルトランジスタのドレインに高電圧がかかる。このときドレインとFG間のトンネルSiO2膜の高電界により、FGから電子が引き抜かれ、メモリセルトランジスタのスレッショールド電圧がV
th1からVth0に下がる。



PROM/EPROM