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IC論理回路入門
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イントロダクション
論理ゲートの基本、NOTゲート
AND、OR、NAND、NORゲート
基本論理ゲートから回路を組み立てる1:比較回路と一致回路
基本論理ゲートから回路を組み立てる2:加算器
基本論理ゲートから回路を組み立てる3:フリップフロップ

 
論理ゲート
 − 基本論理ゲートから回路を組み立てる2:加算器

 
加算器(adder、アダ−)とは、足し算の機能を持った演算器のことである。複雑に組み合わせていけば十進法も可能だが、ここでいう足し算とは二進法のものが基礎となっている。加算器には、下位からの桁上げを考慮しない「半加算器」と、下位からの桁上げも考慮する「全加算器」の二種類がある。全加算器は半加算器を組み合わせることでつくることが可能だ。以下でこの二種類の加算器について具体的に見てみよう。


・半加算器(HA;Half Adder、ハーフアダ−)

 加算器のうち、下位の桁からの桁上げ(「キャリー(carry)」)を考慮しないものを半加算器と呼んでいる。半加算器は2入力A,Bに対し、AとBの和「S」(Sum)とキャリー「C」の二つを出力する。下に半加算器の論理式、真理値表、論理記号を示す。

 (A)論理式
   


 (B)真理値表
入力 出力
A B S C
0 0 0 0
0 1 1 0
1 0 1 0
1 1 0 1

 (C)論理記号
   

 半加算器の回路を実際に組みたてるには様々な方法があるが、ここではNOT、NANDゲートによる構成例を示す。論理記号の接点部分に論理式の途中結果が示してあるので、実際に上の真理値表のようになるか確かめてみてほしい。また論理式の変形には「ド・モルガンの定理」を利用している。



・全加算器(FA;Full Adder、フルアダー)

 全加算器は本来の2入力A,Bだけではなく、下位の桁からのキャリーCも入力して加算し、和Sと次の桁へのキャリーC+を出力する。下に全加算器の論理式、真理値表、論理記号、構成回路例を示す。

 (A)論理式
   

 (B)真理値表
入力 キャリー
C
出力
A B S C+
0 0 0 0 0
0 0 1 1 0
0 1 0 1 0
0 1 1 0 1
1 0 0 1 0
1 0 1 0 1
1 1 0 0 1
1 1 1 1 1

 (C)論理記号
   

 全加算器の構成回路例



比較回路と一致回路 フリップフロップ