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■アモルファス&ポリシリコン
 − 低温p-Siのインパクト - システム・オン・パネル

 低温p-Siの電子移動度が向上すると、液晶ディスプレイ(LCD)を高精細、薄型化できるだけではなく、これまでにはなかったような応用分野の可能性が開けてくる。

 低温p-Siのインパクトは次の二つのレベルで考えると分かりやすい。

低温p-Si 一つ目のインパクト

 まず電子移動度が300cm2/Vsを越えたあたりで、一つ目のインパクトがおとずれる。それがLCDの高精細、薄型化である。現時点(2002年前半)では、試作品などがこのレベルにある。

 これまではガラス基板の外部に存在していたドライバICがガラス基板上に形成できることで、配線の量を大幅に減少できる。また、電子移動度が上昇するとトランジスタを小さくすることができるので、ピクセルとピクセルの間を小さくすることができ、高精細な画面が可能になる。あとは、これらに付随して、耐久性の向上、薄型・軽量、低消費電力といった商品的な付加価値が生じてくる。


左が従来型。右はポリシリコンを用いたもので、ドライバICなどをガラス基板に形成することができる。

 なお、このp-Si TFTの技術は、最近注目されている別のディスプレイ「有機ELディスプレイ」にもほぼそのまま転用することができる。


低温p-Si 二つ目のインパクト

 そして電子移動度がさらに上昇し、500cm2/Vsあたりに到達すると二つ目のインパクトがおとずれる。それは「シートコンピュータ」の登場である。低温p-Siの電子移動度の向上により、これまでc-Si上でしか形成できなかった高速・高密度のLSI(例えばCPU、メモリなど)をガラス基板上に製作する可能性が開けてくる。こうなると、1枚のガラス基板上に一体化する「シートコンピュータ」の実現が視野に入ってくる。(ちなみにシャープは「システム・オン・パネル」、富士通は「システムLCD」などというキャッチコピーを使っている。)

 以前から日本では(いくぶん病的なほど)、「システムLSI」などの複数のICの機能の少数のチップで実現するということを目標に掲げてきた。シートコンピュータの場合、p-Siの電子移動度にそれなりの限界があるために、現在のc-Siに基づくコンピュータにとって変わることはないだろうが、商品としての可能性は大いに期待できるだろう。



リンク集

ナノエレクトロニクスより
 半導体
 導電性高分子
 液晶ディスプレイ、LCD
 有機ELディスプレイ
 有機トランジスタ&プリンタブル集積回路


外部リンク
 
p-Siってなんだろう - TOSHIBA
 モバイル技術 「低温ポリシリコン(p-si)TFT大画面(10インチ以上)液晶」 - TOSHIBA
 低温ポリシリコン液晶 とは - インプレス
 
polysilicon - TOSHIBA(英語)



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