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分子ナノテクノロジー 分子の能力をデバイス開発に活かす
/ 化学同人


Chemistry of Nanomolecular Systems: Towards the Realization of Molecular Devices / Springer Verlag

     最終更新日;2002/10/16
 

  
イントロダクション
なぜ分子エレクトロニクスか?
単一分子素子とは何か?
さまざまな単一分子素子
集積化を目指して
リンク集

 
■分子エレクトロニクス
 − イントロダクション

 これまでの半導体産業では、微細化に微細化を重ねてきた。言わばこれは「
トップダウン(top down)」の手法だ。しかし一方で、いっそのこと原子や分子といった物質の最小単位から、コンピュータを組みたててはどうかという「ボトムアップ(bottom up)」の手法も考えられるようになってきた。このように、分子一つ一つにトランジスタやワイヤなどの素子の役割をもたせようとする分野は「分子エレクトロニクス(Molecular Electronics)」などと呼ばれている。

 トップダウンのアプローチなら、いつ微細化の限界がやってくるのかという心配があるように、ボトムアップのアプローチにも心配事がないわけではない。

 例えば、本当にボトムアップのアプローチで、何千万というトランジスタの集積回路をつくることはできるだろうか?単なるアカデミックな領域を抜けて、産業という舞台で従来の微細加工技術と対等にやりあえるまでに成長するだろうか?

 しかし、ポテンシャルとしては分子エレクトロニクスは今のコンピュータの1000倍以上の性能を可能にできると考えられている。またボトムアップのアプローチは、単に性能がよいといった話だけではなく、低コスト省エネといった別の視点からも多いに期待されている。

 すでにヒューレット・パッカード(HP)社やIBMといった大企業の研究機関で、有機分子一つを使ってトランジスタ、簡単な論理ゲートが作成・動作実証されている。また、国内でも富士通などがナノチューブや錯体を使って、分子コンピュータの思索を行なっている。


 そこでここでは分子エレクトロニクスの基礎的なことについて具体的に見ていくことにしよう。



なぜ分子エレクトロニクスか?