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DNAコンピューティング 新しい計算パラダイム
/シュプリンガ−フェアラーク東京


DNAコンピュータ
/ 培風館


 

  
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■DNAコンピュータ
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 計算機の歴史は私たちが思っている以上に古い。そろばんを計算機の歴史に入れるかどうかはともかくとして、おそらく現在の計算機の起源は、19世紀初等にC.バベッジの考え出した「差分機械(Difference Engine)」や「解析機械(Analytical Engine)」にまでさかのぼるだろう。もっとも、バベッジが構想したこれらの計算機は、結局製作されるまでには至らなかった。当時には、バベッジの考え出した精密な機械を製作できる技術がなかったためだ。

 そして、20世紀を迎え、精密な工作機械類や真空管、トランジスタなど、信頼性が高くより能力の高い計算機が可能になった。とくにトランジスタが登場し、IC製造プロセスが確立されてからの約半世紀の計算機の進化は目覚ましい。現在のシリコンを基礎とするコンピュータは右肩上がりに成長し、その成長が今後とまることを説得力をもって予言することはできない。

 しかし、そんな今の計算機でも弱点がないわけではない。数学者の間でよく知られている「ハミルトン経路問題」や「充足可能性問題」と呼ばれる、しらみ潰しに答を探す必要のある問題では、逐次的な処理を行なう従来の計算機では、現実的な時間内に答えを見つけ出すことができない。

 現在のコンピュータのそんな一面を補完することを期待して、現在研究が行なわれているのが、「
量子コンピュ−タ」や「DNAコンピュータ」と呼ばれる、まったく新しいタイプのコンピュ−タだ。これらのコンピュータはともに新しい分野で、とても現在のコンピュータに対抗できるようなものではない。しかし、可能性としてはとても大きなものを秘めている。

 今回は、そのDNAコンピュータの基本的性質や、最近の研究、そして展望などにスポットライトを当ててみることにしよう。




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