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※画面をクリックすると動画が再生されます。

映像のコンセプト


多くの生物にとって重要な骨の代謝について、細胞レベル、分子レベルで解説した映像です。骨代謝には、骨芽細胞や破骨細胞といった複数種の細胞がそれぞれ役割分担をしながら密接に連携し、古くなった無機物質アパタイトの分解、そして、そこにコラーゲンの構築を行っていきます。さらにそこにアパタイトが再構築されていきますが、その過程を分子レベルで解説しています。骨代謝の一般的な話から入り、徐々に研究対象である材料学的な視点に移っていく映像になっており、研究のイントロダクションとして利用する目的で作成しました。


クライアント


名前 : 中野 貴由 様 (大阪大学大学院 工学研究科 教授)
所属 : 大阪大学大学院 工学研究科 マテリアル生産科学専攻 材料機能化 プロセス工学講座 生体材料学領域


制作の流れ

Step.1 資料の用意 ~ 打ち合わせ①

普段研究紹介に使用しているPowerPointスライド数点をご提供いただき、ストーリーボードの制作に取り掛かりました。とくに映像制作のために、新たに資料を用意する必要はなく、普段の研究で使用しているスライドで十分です。


Step2 ストーリーボードの提出

動画で使用する3Dの静止画像と一連の流れを提案いたしました。

実際に使用したストーリーボードはこちら
(※最終的に完成した動画とどう変更になったかにご注目下さい。)


Step3 打ち合わせ②(映像ラフ)

ストーリーボードでの打ち合わせ内容を踏まえ、アニメーションのラフを作成しました。
初案提出後、映像に対し具体的な修正指示を頂きました。以下にその一例を紹介します。

  • すでに周囲には骨芽細胞がいる状態をよりわかりやすくするため、俯瞰してから細胞の動作にフォーカスするように映像を変更しました。
  • 修正以前は、破骨細胞と骨芽細胞が似通っていたのを、破骨細胞と骨芽細胞の大きさを、それぞれ100μm、20μmに変更しました。

  • 破骨細胞の出すサイトカイン(液性因子)で骨芽細胞が活性化するイメージを追加しました。
  • 骨芽細胞が通った後は、コラーゲンが出ている映像を追加しました。
  • 骨芽細胞の移動の方法を、波状にし、同じ方向に進行するように変更しました。

  • 骨芽細胞の過剰な映像効果を消去しました。
  • 破骨細胞は、穴の周辺にぎっしりいるイメージに変更しました。

  • コラーゲンの三重へリックスが見やすい形で色分けを行いました。
  • アパタイト結晶は50nmくらいまで大きくなるように変更しました。
  • アパタイトのバルク表面をざらざらしたテクスチャに変更しました。
  • 他の映像との整合性を保つために、アパタイトの結晶構造の色調を調整しました。

  • 結晶構造のセルユニットが分かりやすくなるように、軸方向などを追加しました。これにより、アパタイトの成長に異方性があることを強調しています。

Step4 最終確認~納品

クライアントに動画を送り、最終確認をしてもらい、納品となりました。


※この企画は、株式会社リバネスと共同でおこないました。リバネスが発行している産学連携推進マガジン「BioGARAGE Vol.10」2011年9月号に、動画作成の一連の製作フローが紹介されています。