ここでは、カバーピクチャーについてのよくある質問や、採択されるためのポイント、裏話などを公開しています。

カバーピクチャー全般

  • Q. カバーピクチャーとは何ですか?
    A. 各ジャーナルの紙面表紙に掲載されるイラストです。ジャーナルによって、カバーピクチャー(Cover picture)と呼んだり、カバーアート(Cover art)とも呼んでいます。基本的には、ジャーナル各号に対し、表紙(Front cover)の1つの枠ですが、裏表紙をバックカバー(Back cover)、雑誌内の扉に相当する部分にインサイドカバー(Inside cover)という複数の枠を用意しているジャーナルがあります。
  • Q. 各出版社・ジャーナルによってカバーピクチャーの選定はどのようにして行われていますか?
    A. 出版社、ジャーナルによって異なりますが、フロントカバーのような1つしか枠がないものは、複数人の研究者のカバーピクチャー提案によるコンペ形式になることが一般的です。その他、インサイドカバーなどの複数の枠があるものは、コンペ形式だとしてももう少し競争条件がゆるくなります。その他にも、出版社・ジャーナル側から、ハイライトすべき研究テーマのときに、優先的にカバーピクチャーの枠が与えられることもあります。
  • Q. カバーピクチャーの掲載にはお金がかかるのですか?
    A. 出版社・ジャーナルによって異なりますが、基本的にはかかると思った方が良いでしょう。費用についてもそれぞれですが、日本円にして10〜20万円程度と、結構な金額を提示されます。費用の名目は、カラー印刷費の補助などと指定されることがあります。
  • Q. カバーピクチャーに掲載されると何かいいことがあるのですか?
    A. 研究者の皆さんは、自分の研究を少しでも多くのひとの目にとまるようにするために、Table of contentsやGraphical abstractなどの図を工夫しながら作成した経験があるかと思います。カバーピクチャーは、これらの図より視覚的で他の人の目を引きやすいので、他の研究者に対してのアピールともいえるでしょう。フロントカバーに採用されれば、ジャーナルの表紙としてメディアに露出する機会も多くなるため、ジャーナルが出版された後も宣伝効果が期待できます。
  • Q. カバーピクチャーは研究者が作成した通りに掲載されるのでしょうか?
    A. ジャーナルにより異なります。たいていは、ジャーナルのロゴと図が重なってみにくくなってしまうといった、書式上の都合の修正を、出版社から求められることがありますが、基本的にはそのまま採用されます。ただし、NatureやScienceなどのジャーナルは、自社のデザインポリシーを強く持っているため、研究者が送ったカバーピクチャーのデータにかなり手を加えることがあります。
  • Q. カバーピクチャーに採択されやすくするためには、どうすればよいですか?
    A. 一番の秘訣は、自分が投稿しようと思っている過去のジャーナルのカバーピクチャー例を参考にして、そのジャーナルにどのような趣向・デザインのカバーが採用されているかをつかむことです。最も極端なのが、Nature Chemistry、 Nature Material、 Nature PhotonicsなどのNature姉妹紙で、それぞれのカバーピクチャー例を見ると、明らかに趣向が分かれています。さらに、1年ごとにその趣向が変化します。余談ですが、某Photonics系のジャーナルでは、ウチはPhotonicsのジャーナルだから材料・化学よりのイラストは採用されないよと編集部からメールが来たこともあります。

弊社のカバーピクチャー作成サービスについて

  • Q. サイエンス・グラフィックスと各出版社・ジャーナルは提携関係にあるのですか?
    ありません。基本的なスタンスとしては、各研究者がジャーナルに対しカバーピクチャーを提出する際に、そのイラストづくりをお手伝いするという形になっています。そのため、弊社のサービスを通したからといって、そのこと自体が採択率の上昇につながる訳ではありませんが、どのジャーナルでもきれいに作り込んだイラストが採用されるため、その点では大幅に採択率を挙げることができます。
  • Q. このサービスで作成したイラストの著作権関連はどうなりますか?
    A. このサービスでは、請負でCGイラストをつくるという形になりますんので、イラストの権利は譲渡し、著作人格権はいっさい行使しません。ただし、実際には、カバーピクチャーを提出する際に、出版社と研究者との間で、イラストの譲渡に関する覚え書きが発生することがほとんどですので、そちらが優先されます。
  • Q. 出版社から著作権譲渡(Copyright transfer)に関しての文書を出すように言われましたが、これは何ですか?
    A. カバーピクチャー向けのイラスト(著作物)に関して、制作者(研究者もしくは当社のようなデザイン会社)が編集部に著作権を譲渡するように求める書類です。これは出版社によって書式が決まっていることが多いです。著作権譲渡を求める理由としては、大きく二つの理由があります。
    1つ目は、出版社は、今回のカバーピクチャー用途以外に、ジャーナルのその他の広報物(Webバナー広告やノベリティのカレンダーなど)に流用することがあり、事前に著作権の譲渡を受けておきたいという事情があります。
    2つ目は、制作者(研究者もしくは当社のようなデザイン会社)が、イラスト作成の際に他人の著作物を侵害していないかということを確認しておき、後々、第三者と著作権に関するトラブルになった際に責任を回避したいという事情があります。

    この著作権譲渡の書類については、依頼者である研究者の皆様の名前でサインしていただいても結構ですし、当社の名前でサインすることも可能ですので必要があればお知らせください。

  • Q. 生成AIの扱いについてはどうなっていますか?
    A. 現在、生成AIをカバーピクチャー等に使用することについて、著作権的な問題から、多くの出版社は消極的なスタンスをとっています。例えばNature Publishing Groupの記事などが有名です。
    その他、ACSなども基本的には生成AIを許可していません。ただし、これは2023年時点の状況であり、今後、生成AIに対するスタンスも変わってくる可能性も十分考えられます。
  • Q. このサービスを利用した際の支払い関係はどうなっていますか?
    A. イラスト完成、納品後に請求書をお送りしますので、通常の公費や科研費等でお支払いいただけます。海外留学中の研究者の方など、公費や科研費が使いにくい状況にある方については、クレジットカードによる支払いも可能ですので、別途お問い合わせください。
  • Q. 納品はどのような形になりますか?
    出版社・ジャーナルの指定する書式に合わせてメールによりデータ納品を行います。ただし、大学・研究所等の規定で、物品納品等が必要な方は、データをCD-R等に納めて物納することも可能ですので、希望の方は別途お問い合わせください。過去にも多くの大学・研究機関のルールに合わせて経理処理を行ってきています。